<目次>
日本のレンタルについての考え方
10年前に比べて家具、家電などのレンタル業者が増えています。
日本では、家電などについては、性能はよいので製品寿命は長いのにもかかわらず
次々に新製品が発売されるため、古い製品の部品などに対応しておらず、
古い家電を修理して使うことより新しいものを安く買いかえるという感覚になっています。
またデザイン性にもすぐれており、CMなどで大々的に宣伝した家電などは
その家電をすでに持っているにも関わらず、売り切れることもあります。
日本人は、個人で好きな家電を買い少し使って飽きたらすぐに買い替えるという消費文化が主流です。
翻って海外はどうかというと、新しい家電は出ますが、
デザイン性に特化したものはなく、家電は家電の機能を有したものがほとんどで、
個人として気に入ったものを持つというより必要に迫られて買うというスタンスが主流です。
自分の気に入ったものを買うというより、機械を使うという感覚ですので、
そこまでお金をかけて家電を買うという人は少ないです。
家電などはよほど趣味の分野のもの以外では、たいてい賃貸のアパートや家についています。
洗濯機、テレビ、エアコンなど生活に直結する必要なものがすでに家についているのは引っ越ししてくる人にとってはありがたいことです。
このようなことからわかるように、日本人の家電に対する考え方が、
家電のレンタルというものも商売として成り立ちにくい状況にありました。
レンタル家具、家電を利用している人たち
ネットなどが発達し、海外からたくさんの旅行者が日本に来るようになりました。
日本人の平均休暇取得日数に比べて、海外の人たちは、長期休暇が取れる環境があり、日本での滞在日数は長めです。
そのような人たちがキッチンなどがない高級なホテルに泊まれるわけはなく、
気軽に長期で滞在するための、アパートメントホテルなどが少しずつ増えてきました。
短期で借りられるアパートなども増え、そのアパートには、冷蔵庫、洗濯機など
必要最低限のものがついています。
また短期ではなく長期出張のような形で日本にくる外国人も増えてきています。
短期で借りられるアパートは少々狭すぎるため、マンションなどを借ります。
そのような人たちは、ほとんどのマンションでは家具、家電つきではないので
レンタルするのです。
また日本人の中でも日本国内はもとより日本から海外へと転勤する人もいます。
会社のポジションによっては、転勤が続くのですから、持ち家はなかなか買うことができず、家にあわせた家電や家具を買うというのは難しいことです。
そのため、一時的な住まいのための家具や家電をレンタルできるのは大変助かります。
さらに進んだレンタルサービス
当初のレンタル家具は、オフィスが中心でした。そこから少しずつ一般の家庭用にレンタル家具が増えていきましたので、あれば助かるくらいの感覚で、デザインなどは二の次でした。
通販カタログなどで一番安いラインのものではないかと思われるような味も素っ気もない家具などばかりで、色も選ぶことができず、一時の仮住まいなので我慢するしかないというようなものが多かったのですが、最近のレンタル家具は、デザインに優れたものも多く選べるようになってきました。
またリビング、ベッドルームなど、部屋ごとにトータルコーディネートをおまかせして選んでくれるサービスなどもあり仮住まいといいつつ、おしゃれな生活をすることもできるようになってきています。
またその家具が気に入った場合は、購入することも可能なので必然的に大切に家具を扱うようになりますので、レンタル業者としてもメリットがあります。
レンタル家電は、通常の使用での故障については、保証してくれるので、
必要最低限の機能でと考えている人たちにとっては、いろいろ試すこともでき便利です。
冷蔵庫や洗濯機など水物の家電などは長期間使用していないと故障してしまうということもあり海外転勤などがある人たちにとっては、長い間使用するということが
ないので、助かっています。
終身雇用制がくずれ、所得が上昇するという期待がなかなか持てない中、
家電・家具などにお金をかけないで使えるものを借りて使うという考え方の
人が増えていくのではないでしょうか?